今はなき、姫路市営モノレールの壮大な夢

姫路といえば、ユネスコ世界遺産にも選ばれ

た姫路城が有名です。

別名、白鷺城と呼ばれるその姿は、2009年から2015年、約6年の改装を経て、一層輝きを増し、
まさに白鷺のような姿を見せています。

そんな姫路城を中心に栄える姫路の街に、不思議な建造物があります。

 

f:id:nct127:20181107150042j:plain

それは、長い歴史を背負った古代遺跡のようにも見えます。
実は、この建造物、モノレールの廃線跡なのです。

 

f:id:nct127:20181107150005j:plain

1966年に姫路市手柄山で開幕された「姫路大博覧会」。
大イベントを機に開通した「姫路市営モノレール」は
姫路駅から手柄山までのわずか1.6kmを結ぶ短い路線でした。

しかし、「姫路市営モノレール」には壮大な夢がありました。
南は、飾磨・広畑の臨海工業地域まで路線を延ばし、市内には環状路線、
そして北は日本海鳥取まで路線を延伸するという大計画!!!!

のはずでした…

 

f:id:nct127:20181107150252j:plain

 

「姫路大博覧会」が閉幕すると、やがて「姫路市営モノレール」の乗客は減少。
高額な運賃や押し寄せるモータリゼーションの波に勝てず、
わずか8年で営業休止となり、1979年に正式に廃止されました。

廃止後、軌道桁などの設備は、撤去費用などの問題で 一部が残されたままとなっています。
ある社会学者の方は、古代ローマの水道橋をも連想させるこの廃線跡を「現代遺跡」と命名されました。

姫路駅から途断続的に繋がるその廃線の先には、かつての終点「手柄山駅」があります。

f:id:nct127:20181107145854j:plain

 

「手柄山駅」のあった場所には、現在「手柄山交流ステーション」が建てられ、
姫路市営モノレールの車両が大切に保存されています。

 

 

f:id:nct127:20181107150903j:plain

2両展示のうちの1両は車内に入ることもできます。
また、駅名標や看板、制服なども保存され、当時の様子を知ることもできます。

f:id:nct127:20181107150309j:plain

 

「手柄山交流ステーション」のある「手柄山中央公園」には遊園地や水族館をはじめ、植物園やプール・回転展望台などの大型公共施設が立地し、市民の憩いの場となっています。

姫路城の輝きとの対比が際立つ「姫路市営モノレール廃線跡。姫路に訪れた際は、廃線跡を辿りながら。手柄山の方にも足を運んでみてはいかがでしょうか。昭和レトロな気分にひたれること間違いなしです。